2005年に兵庫県産材を主に扱う製材所や実際の山を見に行き、
兵庫県の山の悲惨な状況を見て愕然としました。
数年前から何とか地元の兵庫県産材を使って家を
建てれないか考えて いました。
しかし、金額や材木の質を考えるとどうしても他県のものを
使うしかないというのが現状でした。
そこで、まず質の問題をクリアするために情報を集めました。
そして知ったのが今回訪問させて頂いた製材所でした。
ここの社長に直接お話を伺うと、正直に商売をされていて、より良い
ものを提供するために努力されているのがよくわかりました。
また、その違いを一般の方に伝えきれていない現状を少しでも
改善したいという想いも強くお持ちでした。
『一人でも多くの人に実際に見に来て自分の家に使われる木を見てほしい。』
と訴えられ、その為でしたら喜んで説明しますと言っておられました。
製材所の中や乾燥機、ストックされている材木を見学して、ここなら
まずおかしな材は出さないということがよくわかりました。
(木は1本1本クセがあり、質も良いものや悪いものがあります。
さらに乾燥や保存状態でも強度や耐久力が違ってきます。)
さて、木材の良さはよくわかりましたが、今度は金額の問題です。
今まで、県産材を使うと他県の材や外国の材木に比べてどうしても
金額が上がってしまいました。
それは流通経路や人件費などさまざまな問題があるためです。
まず流通経路ですが、少しでも途中の流通マージンを下げるために
山に近い製材所から直接購入するルートを開拓しました。
さらにこれはもうご存知の方もおられるとは思いますが、兵庫県産材を
ある一定以上の割合で使うと特別な融資を受けることができます。
詳しくは
兵庫県産木材利用木造住宅特別融資制度のサイトをご覧下さい。
この制度を利用すると25年という制約はつきますが、2.0%の固定金利と
なっています。例えば2000万円の借入れを行った場合、
2.0%の25年固定金利の場合、総支払額は約2543万円に対し、
3.0%の固定金利の場合総支払額は約2845万円になってしまいます。
実に総支払額では302万円もの差がでてしまいます。
ですので、仮に県産材を使って70万円の金額アップになったとしても
トータルの支払い額では230万円安くなっているということになります。
よく言われていることですが、住宅ローンの金利次第で家の総額が
決まってしまいます。
その為、こういったことまで考えて家づくりを考えることは
とても重要です。
ところで私がそもそも兵庫県産材に興味を持った理由の一つには
以前勤めていた会社で県産材を使った家を積極的に建てていた為です。
そしてやはり建てる家の近くで育った木の方がよりその風土に適して
いるため長持ちし、木の狂いも出にくいということがあげられます。
それは熟練した腕の良い大工さんに聞くと間違いなくこのように
答えます。
何より、私が生まれ育ったのが兵庫県ですので、少しでもこの県が
良くなるように、貢献できればという思いがあります。
環境への配慮というふうに大上段に構えるわけではなく、
いろんなメリットを考えた上で、もっと積極的に使われても良いのでは
と考えています。