今日からGWの連休が始まりましたが、私はほぼ仕事をしている感じです。
それでも今月は大阪で開催されていた『北欧のあかり展』と三重県のVISONを訪問してきました。
今年に入って、まともに休みが取れていませんでしたので、良い気分転換にもなりました。

北欧のあかり展は北欧の照明器具や
その考え方などについて
とても興味深い内容の展示でした。
半世紀以上前に作られた照明器具が今でも人気で
全く古さを感じない洗練されたデザインは
秀逸と言わざるを得ません。

それはデザイナーのあかりに対する考え方や
哲学と言っても良い深い洞察から考え抜かれた
ディテールやプロダクトに改良を加えた経緯など
物作りに携わる者として非常に感銘を受けました。

照明器具だけでなく北欧の家具も有名で
美しさと実用性を兼ね備えた物が多いです。
この『ザ・チェア』と言う家具は
「椅子の中の椅子」と言われるほど
デザインの完成度が高く、私も憧れる椅子です。

そんな北欧の照明や家具は和のデザインとも相性が良く
インテリアのポイントとして馴染みやすいのも特徴です。
北欧の照明は弊社でもよく提案させて頂いておりますが
ネックはコストで、たくさんは使えませんが
ポイントとなる部分に使うことで
空間の印象が変わる存在になっています。
違う日になりますが、忙しい合間を縫って
以前からどうしても行きたかったVISONも訪問してきました。

三重県の山間の多気町にある商業リゾート施設ですが
自然を生かした風景のデザインは見事な美しさでした。

もともとの地形を生かすために
建物に少しずつ段差を付けて
デザインすることで高さの変化が楽しい
リズミカルな雰囲気に仕上がっています。

その外構も天然石を多用し
植栽の緑で囲まれた計画です。

緑に囲まれた建物の佇まいは
木造建築らしい板張りの外壁も多く
木造住宅の延長のような感じがして
とても親近感がわきます。
アプローチの作り方や
案内表示もデザインされていて
馴染んでいるのはさすがです。

有名なパティシエのパティスリーも
独特の建物デザインで施設を見て
回るだけでも全然飽きません。
私のように建築が気になってしょうがない人間は
この外壁板張りの経年変化も気になります。
上の建物のように軒がしっかりと出ている場合と
この建物のように軒が全く出ていない外壁板では
風化の具合が違ってきます。
写真でもわかるくらい軒のない外壁は風化が進んでいて
シルバーグレー色に変化しています。
ちなみにVISONは4年ほど前にオープンですので
5年弱でこのような変化があるという事で
経年変化の違いも楽しんで見ていました。

そしてVISONに来た大きな目的の一つが
こちらの『minä perhonen museum』
ミナペルホネンのミュージアムと言う事で
とても楽しみに訪問しました。

中には皆川明氏がデザインされたテキスタイルが
壁や天井すべてにパッチワークのように
展示されている空間はファンには
たまらないスペースだと思います。
先ほどの北欧家具メーカーとコラボした
作品なども展示されていたり
ショップも併設されていて
見ごたえのある施設でした。

ショップの窓ガラスには皆川氏自身が
描いた樹々のデザインもありました。

建築的に面白い物に惹かれるのですが
このような回廊の屋根や骨組みは面白く
見せ方も勉強にもなりました。
全てのデザインに妥協がなく地産地消の考え方を取り入れて
地元の木を多用した施設にはとても共感をおぼえて
心地良い時間を過ごせました。
また食についてもいろんなテーマで
出店された施設がたくさんありましたので
ご興味のある方は一度訪問してみてはいかがでしょうか。
いろんな発見が出来ると思います。