伊丹市のMH様邸では大工さんの造作工事も大詰めです。
先日、ご紹介した階段には木製のスリット手摺の造作を行いました。
この手摺は現場の形状や高さに合わせて大工さんが加工を行いながら1本ずつ組んでいきます。
加工を間違わないように実物で寸法通りに仮に組んで、寸法を確認してからカットしたり、溝を掘る為、とても手間と神経を使います。
特に手摺の途中にあるアールに折れ曲がった部分は専用の部材と現場をすり合わせる為、加工も難しかったようです。
苦労の甲斐あって綺麗に仕上がりましたが、塗装を行うことで雰囲気も一変します。
同じ部材を使った木製スリット手摺を2階ホールの吹き抜けに面した部分にも施工しています。
インテリアのアクセントと言うより造作家具のような存在感がでるだけでなく、空気の循環もおきやすい為、暖冷房の効率もよくなります。
玄関ホールから洗面コーナーへの入り口には木製のアール枠を入れています。
このアール枠の上は垂れ壁となり、緩く空間を区切る効果とインテリアのアクセントになります。
完成内覧会ではいつも好評なので、よく提案させて頂くのですが、コストと手間は掛かります。
ただ、それ以上に効果がある為、採用されることが多いです。
私たちが設計をする上でデザインだけではなく、暮らしやすさや性能と言った効果も同時に考えています。
現場で思い付きで行うと取ってつけたようになり、全体のバランスが崩れることがある為、設計段階から吟味が必要です。
ダイニングの収納も大工さんの造作です。
上には吊戸棚が設置されていますが、この後インテリアのアクセントになる装飾が入ります。
二列型のキッチンもアイランド部分は大工さんの造作ですが、こちらも複雑な形状で加工は大工さんの腕の見せ所です。
いつもながら、難しい加工や造作に応えてくれる大工さんには本当に感謝です。