最近点検に伺った際にいろいろと感じる事がありましたので、記しておきたいと思います。
先日、姫路市のMY様邸の10年点検をさせて頂きました。
その時に撮らせて頂いた外壁の板張り部分の写真になります。
1階の一部分をレッドシダーの板張り仕上げにしていましたが、10年経っても建築当時と色があまり変わっていない事が驚きでした。
1階で軒がしっかりとある部分のレッドシダー板張りなので、10年で悪くなることは無いのはわかっていました。
また、ご主人が今年に入ってクリア塗装を施したとお聞きしましたが、ここまで色の変化が少ないのは意外でした。
通常は真ん中に立っている門柱のようにシルバーグレー色に変化するのが一般的だと思っていましたが、写真のようにこげ茶色のままでした。
外壁の板張りについては樹種や塗装などによって、耐久性や変化の仕方が違う為、何の木を使うかやどんな処理が行われているかで比較するのが難しいです。
ただ、長い歴史のある仕上げであるのは事実であり、デザイン性だけではなく、手に入りやすくメンテナンスしやすい事がメリットだと考えています。
ご相談にお越し頂く方から聞く話で、無垢フローリングや外壁の板張りなどは住宅会社の営業マンからメンテナンスが大変だと言われる事も多いようです。
そんな時にいつもお話しているのが、『その会社さんで無垢フローリングや外壁に板張りを実際に施工していて、メンテナンスの事まで考えて樹種などの素材を選んだ上でそう言っているかどうか確認して下さい。』と言う事です。
すると合板フロアやサイディングしか見た事がないか樹種による違いもわかっていない営業マンがほとんどです。
住宅会社の立場からは数年間、クレームにならないような素材は便利で使い勝手がよく、手入れが少なくて当初の見栄えが良ければ、お客様にとってもメリットがあると考えています。
その方が良いと言う方にはぜひその会社さんで建てられる事をお薦めしますし、無理に自然素材を使うべきだと言うつもりは毛頭ありません。
しかし、実際に使用していない物や10年後どうなっているか見た事もない人の話を信じて、建てた後で後悔するような事がないようにして欲しいという考えで発信を続けています。
受験をしたことが無い人に受験勉強のアドバイスをしてもらう事があるでしょうか?
外国車に乗ったことがない国産ディーラーの営業マンに外国車のアドバイスをしてもらうでしょうか?
そんな事が住宅業界では普通に行われていて、それに影響を受けてしまう事が多いのではと思います。
これだけ玉石混交の情報があふれている現在では、どんな事でも発信している相手の背景を知った上で発信の真偽を見極める目を養う事が大事だと私自身、肝に銘じるべきだと感じる今日この頃です。