先日、明治村に行った話を書きましたが
旧帝国ホテルを見ているとライトの
他の作品を見たくなりました。
関西では唯一のフランク・ロイド・ライト作品が
ヨドコウ迎賓館で旧山邑家住宅になります。
近くにあるにも関わらず
今まで見に行かなかったのですが
仕事の合間にようやく訪ねることが出来ました。
ホテルのロビーとは違って
もともと個人の別邸という事で
住居の要素が強く
とても興味深く拝見してきました。
応接室はさすがは
ライトらしい装飾と素材使いに
ディテールの細工など
一つとして手を抜く所がなく
全てが装飾のある仕上がりに
ただ見入ってしまいました。
これでもかと配置された高い位置の窓は
デザイン的な要素が強く
一般住宅ではありえません。
それでも強調された横ラインと
そのバランスは絶妙でした。
中でもライト建築で珍しいのが
この続き間の和室
実は当初の設計ではこの和室は無かったのですが
ライトが途中で帰国してから
弟子の遠藤新らによって変更を加えたそうです。
和室でも応接室と同じ高窓や空間を
つなげた設計を取り入れた
ライトの要素を融合させているのは
面白い趣向でした。
最上階の食堂は勾配天井で
開放的な空間に木に細工された
装飾が印象的でした。
最上階からバルコニーに出て
振り返ると美しい外観が見れます。
水平の軒ラインと煙突にも
見事な装飾が施されていました。
住居なのでやはり水回りも気になります。
こちらはトイレですが、
ドアノブの高さが謎ですが
木のドアは時代を経て
使い続けることが出来ることを
再確認しました。
こちらは厨房で何人もが
同時に作業をしていた事がわかる
洗い場と調理台でしたが
家具は造作されていて
一体感がありました。
この部屋は婦人室ですが
奥の部屋より60cm程度上がっていて
座った目線からの景色が良く
低めの天井のおかげで
とても落ち着く空間でした。
日が傾くまで見て回りましたが
とても見ごたえのある建築でした。
老朽化で取り壊してマンションを
建てる計画もあったそうですが
保存運動と淀川製鋼所のおかげで
修繕して現在に至ります。
見学したのは平日だったこともあり
人も少なく、ゆっくりと見る事が出来ましたが
もしかすると世界遺産へ
追加登録される可能性もある為
興味をお持ちの方はお早めに
見に行く方が良いかもです。