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新住協(新木造住宅技術研究協議会)とは?
新住協(新木造住宅技術研究協議会)は日本の住宅性能の向上を目指す民間の研究機関であり、フランチャイズのように家を売る為に作られた組織ではありません。
『Q1.0住宅を日本のスタンダードに』と言う会の趣旨に沿って、一般の方に広める啓蒙活動を行っています。
新住協の取り組みに賛同して所属している会社さんの中には営業が苦手な会社さんや真面目で勉強熱心な会社さんが多い印象です。
マニアックな技術好きの町工場のような工務店が多いのも特徴です。
新住協はこんな会
新住協の公式な理念や活動についてはHPでご覧頂ければと思います。新住協HP
ここでは新住協の一会員として10年以上、在籍して勉強と実践を重ねてきた弊社が考える新住協と言う会の意味を記したいと思います。
新住協は工務店や設計事務所が国立大学の教授であった鎌田先生と実践を重ねて培ってきた技術と知識の集積された機関であり、その知見は日本の住宅が高断熱高気密住宅にシフトする原動力になった。
もともと新住協はNPO法人であり、年会費も最低限の運営費用しかかかりません。
鎌田先生の高断熱で省エネな住宅を全国に広めると言う使命感と会員の善意とで成り立っている会です。
そのため技術情報もオープンにしており、誰でも学ぼうと思えば、惜しみない技術情報と研修会などにより最短で正しい知識と技術を身につける事ができる会だと思います。 弊社も先輩の工務店や設計事務所さんが実践されてきた技術を学んで取り入れてきた経緯があり、とても意義のある会だと実感しています。
しかし、それは学んで実践して初めて身につくものであり、新住協に入れば身につくものではありません。
ですので、新住協会員であればどこでも高断熱高気密で省エネな住宅を造れるわけではなく、会員名簿に会社名があるだけでは実践しているかどうかはわかりません。
新住協の家づくりを実践している会社の見極め方
新住協の考えを実践している会社かどうかを見極める方法として次の3点があると思います。
1.QPEXで計算を行っている
新住協の会員になると無料で配布されるQPEXと言う省エネ計算ソフトは長い年月を掛けてブラッシュアップを重ねてきた集大成のような存在。
このソフトで計算した暖冷房エネルギーは実際の数値に近づくように常に検証が行われており、その精度も上がっている為、ソフトで計算する事で根拠のある数値を示すことが出来ます。 他にも省エネ計算ソフトはある為、QPEXでないとダメと言う訳ではありませんが、少なくともそういったソフトで計算を行っているかどうかは一つの目安です。
2.気密測定を行っているかどうか
住宅の断熱性能は仕様によって計算することができますが、気密性能は実際の現場で気密測定をしないと数値はでません。
どれだけモデルハウスで高い数値が出ていても実際に建てるお客様の家で同じ数値が出る保証はどこにもない為、現場ごとに気密測定が必要です。
ある程度しっかりした施工ができる職人さんのチームがある会社では、ほとんど同じ数値が出ますが、それでも念のため測定する会社もあります。
それはお客様の安心の為であり、自分達の施工精度を確認する意味でもあると思います。
全棟で気密測定をしていない場合でも、少なくとも気密測定は普段これくらいの数値でご希望でしたら気軽にやりますよと言う会社でしたら安心です。
3.断熱・気密の正しい施工写真を見せることが出来る
また断熱・気密工事も現場での正しい施工が欠かせません。
間違った施工方法を理解していて、その違いと断熱工法によるメリットとデメリットがわかっている事が絶対条件と言えます。
その判断には現場の写真を見せてくれたり、断熱の状況を見学会などで公開している事が一つの判断基準になります。
新住協のマスター会員かどうか
もう一つ付け加えるとすると新住協のマスター会員であるかどうかが一つの目安となります。
マスター会員はQPEXで計算を行ったQ1.0住宅を手掛けた事があり、積極的に実践している会社がほとんどのため、高断熱で省エネな住宅を建てたいと言われて、応える事が出来ない会社はまず無いかと思います。
マスター会員でなくてもしっかりと計算を行い、気密測定を行い、正しい施工方法を積極的に発信している会社もある為、その会社の姿勢を確認することで見極める事はできると思います。
Q1.0住宅とは