注文住宅の価格・費用について
注文住宅の価格や費用は使うものや施工方法、職人さんの質などで大きく変わります。
一つ言えることは費用なりの出来上がりになるという事です。
ただ、費用対効果を考えた時に他の安い材料で同じ効果が得られる場合があったり、逆に安い材料を使う事で本当に安っぽくなってしまったりとコストだけを考えると失敗してしまうこともあります。
家づくりで大事なトータルコストを考える
家づくりにおいてコストのベストバランスを考える事が最も難しく、住宅会社の姿勢が現れる部分だと考えています。
弊社ではコストについては建築当初の費用だけでなく、下記のような費用に着目しています。
- イニシャルコスト(建築費用)とランニングコスト(特に光熱費)メンテナンスコスト(建物の維持・修繕費用)
住宅の建築時にはイニシャルである建築費用ばかりに目がいきますが、建ててからずっと掛かる電気代などの光熱費が建てる住宅によって大きく変わる事も知っておいて頂きたいです。
それは家の性能や設計によって燃費に違いが生まれ、同じ温熱環境を得るのに電気代が年間数万円から10万円違ってくる場合もあります。
また家は10年以上経つと何らかの修繕費が掛かってきますが、それは建てる家の大きさやデザイン、使う素材によっても変わります。 - ローン金利と総支払額の関係・差
住宅ローンの支払額は金利によって大きな差が生まれます。例えば3000万円の住宅ローンを35年で組む場合、固定金利で1%と2%の場合では総支払額に617万円の差が生まれます。
金利だけでなく、手数料や団体信用生命保険の条件も違いがある為、ご自身にあった住宅ローンの選択はとても大事です。 - 見落としがちな設備の更新・メンテナンス費用(エアコン台数、床暖房の修理費、高額な設備など)
建築する前はあまり考えないかもしれませんが、エアコンなどの設備の交換頻度や台数、交換費用によって、生涯で買い替える費用に思った以上の差が生まれます。
その為、エアコンの設置台数や設備の耐用年数、交換頻度なども考えてアドバイスしております。 - 体温が上がることにより抵抗力の上昇と病気による医療費の削減費用
健康に暮らせる家にも書いていますが、室内の温度が一定で部屋毎の温度差が小さい家で暮らしている人の医療費が少なくなる。
風邪をひきにくくなったり、血圧の低下によって通院の頻度や薬の購入費用なども減る傾向があり、その医療費の差が年間4万円にのぼると言うデータもあります。 - 何より日々の快適さや心地よさによるプライスレスの差
温度差の無い家では生活スタイルも大きく変える事ができます。お風呂に入るのに寒さを我慢したり、外では暑くて動くのが嫌な季節でも家の中ではストレスなく動けます。睡眠の質が改善されたり、イライラが減る事による暮らしの質の変化はプライスレスと言えます。
建築費用(価格)の比較はできる?
ただ、建築費も大きな費用ですので、その部分に触れます。
ある大きさの注文住宅の費用(価格)は○○万円かかります。
これを聞いて高いか安いか判断できる人はいないと確信を持って言えます。
そもそもこの金額はどんな仕様やプランかで変わりますし、特に注意が必要なのは見積りに何が含まれているか分からない点です。
見積りに設計費や諸経費、外構費や消費税などを含むかどうかで金額が大きく異なります。 これは会社によって含める部分が違う為、金額を聞いただけで高いか安いかを判断することはまず出来ないのではないでしょうか。
また、一般的にローコストを売りにしているハウスメーカー(工務店)では規格型の仕様や場合によってはほとんど変えられない間取りにすることで、安くしていることもあります。
もちろん、その仕様やプランが気に入れば、割安で家を建てることができると思います。
その反面、そのような会社で自分達の希望を入れていくと結局、割高になる事もあるようです。
一般的にはローコストを売りにしている住宅会社だと、それだけ安く建てることができると思ってしまうかもしれません。
しかし、よく考えて頂きたいのですが、例えば服の量販店でオーダーの服を作ると高くなり、選択肢も少ないか、そもそも対応が難しい場合が多いと思います。
無理にオーダーしても納得のいくものが出来るかどうかは未知数です。
さらにローコストを売りにしている住宅会社(だけでなく、大手と言われるハウスメーカーも)では規格以外の仕様はオプション扱いと言う事で、そこで利益を確保する為に普通よりも高い見積りになることも多いようです。
なので『先に申込みや契約を結んでから仕様などの細かい打合せをしましょう』と言う流れで進める住宅会社やハウスメーカーも多いのです。
そして、打合せの中で出した希望については出来ない、もしくは出来ても高い見積りを見て、あっけなく断念することに。
その結果『自分達の予算がなかったからしょうがないよね』と納得はしつつもその分、後で手を加えたくなることも多い。
でも実際には最初から頼む会社が違えば、同じ金額で自分達の住みたい家になっていた可能性があります。
そうならない為に出来る限り、自分達が住みたいと思える家を建てているかどうか事前に見学などを重ねて知った上で、金額も含めて本当に出来るかどうか確認しておくべきです。
本気で住まい手と家を造る意識で建てている会社であれば、その方のご予算をお聞きして自分達の会社で可能かどうかお答え頂けると思います。
決して、依頼者の理想の家にならないのを承知で受注欲しさに妥協した家を提案する事はないはずです。
(もしそんな会社であれば、話をする中でわかると思いますし、それを見極める目を養って頂きたいと思っています)
気になる建築参考価格は?
長々とコストの考え方を書いてきましたが、参考までに弊社で現在(2022年11月時点)、延床面積30坪程度の2階建て住宅を建築するには設計料・諸費用・消費税まで含めた建物総額で2,600万円程度(建物本体価格2,100万円)からの費用が掛かっています。
私達は注文住宅を建てる全ての方にオーブルホームで家を建てて欲しいと考えている訳ではありません。もちろんご依頼頂けるのは大変嬉しく、光栄なことだと考えて、真摯に家づくりに向き合っています。
ただ、本当に納得して家を建てて欲しいのと、その家に満足して何十年と住むことができるかは建てる前しか考える事ができないので、後悔のないように建てる前に真剣に考えて欲しいと願っています。